24-BLOG

行き場のない雑文

対話の人と議論の人

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この日本で米津玄師さんの Lemon という曲を知らぬ人はおそらくいないだろう。私は大好きです。この曲を聞いていると、なんだかフェルメールを見ている感覚になる。

フェルメールは「カゲ」の描写が巧みな画家。一般的に括弧内には光が入るのだろうけども。光の魔術師などといわれているしね。

ところで、「鮮烈な黒」という表現を私は好むのだが、日本語としては一見よくわからない気もする。

鮮烈とは鮮やかさの強烈のことで、鮮やかとは明るさの強烈のことだからね。黒なんて色、全然鮮やかじゃないよ。と普通は思う。

でも、本当にそうだろうか。

闇は光の輪郭である。
…と私は思うのだが。

白い色と黒い色。
明るい色は、どちら?

この質問へ殆どの人は白と回答するのだろう。

しかし「clear light」はソレのみでは存在を知覚できない色。澄みすぎて。深い闇とのコントラストなしに光は光たりえない。

東洋思想で表現するならば陰陽相対とか陰陽互根ですかね。

陽の存在根拠は陰なので。
逆もしかり。

いずれか一方を排除したり互いに衝突したりなどという愚かさはない。互いに相手を内蔵し、調和し、循環するのだ。

…Lemonの話に戻る。

youtu.be

この非常に完成された名曲に、かつて人々から忌み嫌われた悪魔の音が潜んでいる事実をご存知だろうか。不快極まりない「増4度和音」がそれである。

中世の教会ではこの音を鳴らす行為自体を禁じていたとか、いないとか。

これは根音「ファ」に「シ=増4度」を重ねると出現する不協和音。

短3度「ラ♭」を加えると「fdim」

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スマホなら鍵盤アプリが沢山あるからインストールして実際に重ねて鳴らしてみるとわかりやすいよ。

夢ならばどれほど
よかったでしょう
未だにあなたの
“ことを(Fdim)” 夢にみる
暗すぎて本来なら避けるコード進行(多分…)なのだろうけど、しかし実際に聴いてみるとどうだ。

悪魔の音とまで忌み嫌われた音が協和音として世界と見事に調和し、魂が光に向かうその輪郭を、明瞭に逆照射しているではないか。
(・・あくまでも私のイメージ)

この世に悪魔なんているのか。
この世に神なんているのか。
音の異なりを協和音として調和させる営みを対話と呼ぶのなら、異なる部分を不協和音と捉え一つの音に収斂させる営みを議論と呼ぶのだろう。

人は美しい。これは魂(メタファー)の美しさだろう。左右非対称をアシンメトリーと呼ぶが、では左右非対称は醜いですか?たとえば人の顔は左右非対称。モナリザだってアシンメトリーだ。

人はみな、自分の内なる非対称を見事に調和均衡させているでしょう。

「非対称かつ対称」を止揚してみせる人の美意識や感性を、それは誤謬だと言って論争する。

失いたくないな。人間を。
議論(判断・推論・選別)なら機械にだってできるぜ。

善神も悪神も、八百万ゆきかう日本になりますように。太陽が分け隔てなく万物を照らすように。
今日もまた、何かを言っているようで実は何も言っていない記事を投稿してしまった。

記事TOP画像はいわゆる便所草。世間の嫌われ者だけれど、とても綺麗に見える。私には。

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