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雑文集

前記事への付記2

一言:語に本来含まれてない意味を言葉の注射器で注入する人はややこしい


件の団体については事実を基礎とした上で各々自己責任のもと自由に批評されたらよいですが「〜の規制は難しいと言う人」の一人として。
特称命題/単称命題
・違法行為に及ぶ「カルト」は存在する
・あるカルトは不法行為をする者である
・このカルトは不法行為をする者である
これは事実として真でしょう。

※但しカルトの要件該当性を別途考慮する必要があります。

ちなみに「真でしょう。」とサラッと流してますが、本当は命題として成立してないものを無理くり書いてます。「2はxより大きい」は真か偽か。但しxはいつか定義する‥って文があったら変ですよね。

未定義なのかよと。
いつかっていつだよと。

判断に必要となる意味内容の確定に先立つ真偽などありえない。なぜなら定義とは概念の適用範囲つまり境界線を確定させる作業だからです。「x」は3かもしれないし、ウンコかもしれない。要は土台が無茶な話。これが理解できない人間を公共言論の場へ出したらいけない。‥余談でした。
たとえばカルトを「非正統の新興宗教」と定義する、あるいは「教義内容」で定義するなど。 

また一般社会のみならず「統治規範、内政、国防思想」への影響度合を含めて考えてよいならば、かつて人権制約や国外戦争(國體論や八紘一宇)の理論的根拠に利用された来歴をもつ、神道や一部大乗仏教の存在をなおのこと無視できなくなる。

(憲法適合性はさておき法規制する場合は国が差配するのかな?)

2022.07.23追記

仏教の戦争責任④
「零戦」を献上した仏教界


引用元:yahooニュース
7/23(土)9:21配信
全称命題/仮言命題
・存在する「カルト」は違法行為に及ぶ
・全てのカルトは不法行為をする者である
・カルトならば不法行為に及ぶ者である
・不法行為に及ぶ者ならばカルトである
これは真でありません。

括弧内を「人種国籍」に入れ替えてみましょう。

特称命題/単称命題
・違法行為に及ぶ「黄色人」は存在する
・ある黄色人は不法行為をする者である
・この黄色人は不法行為をする者である
これは残念ですが真でしょう。
全称命題/仮言命題
・存在する「黄色人」は違法行為に及ぶ
・全ての黄色人は不法行為をする者である
・黄色人ならば不法行為に及ぶ者である
・不法行為に及ぶ者ならば黄色人である
ゆえに黄色人種を法で規制すべきであると?‥人種差別では。
特称命題/単称命題
・違法行為に及ぶ「日本国籍者」は存在する
・ある日本国籍者は不法行為をする者である
・この日本国籍者は不法行為をする者である
したがって、、
全称命題/仮言命題
・存在する「日本国籍者」は違法行為に及ぶ
・全ての日本国籍者は不法行為をする者で...
・日本国籍者ならば不法行為に及ぶ者である
・不法行為に及ぶ者ならば日本国籍者である
こんな主張デタラメだろう。
後者を肯定するためには実証データが必須であるところ、「信じる」という精神活動に依拠して信じたいものを信じ、実証プロセスを経ずストレートに自明視して他者を「法」で制約然らしめんとする行為、そして「自分は違う」のだと信じて憚らない態度、これ宗教とメンタリティ何が違うんだ。

宗教法か世俗法かの違いでしょうか。
「違法行為に及ぶカルト」と「カルトそれ自体」はイコールじゃありません。

「違法行為に及ぶ黄色人」と「黄色人それ自体」はイコールじゃありません。

「違法行為に及ぶ日本人」と「日本人それ自体」はイコールじゃありません。

カルト=違法行為集団でないし
黄色人=違法行為集団でもない
日本人=違法行為集団でもない

私は「○○○の規制は難しいと言う人」の側であってよかったと心底思う。これ「○○○」へ性別を代入しても職業を代入しても論理構造(差別の論理)同じ。

喫緊の社会課題は「違法行為に及ぶ○○○」への対策であって「○○○それ自体」を法で規制する事じゃないはず。

まあ実現する見込みは九分九厘ないよと思いつつ‥もしカルト規制が為されるのであればカルト定義に以下を加えて貰えないか。


無定義語を用いて社会をイメージ誘導し
法で他者を制約然らしめんとする行為
嫌悪の表明や批評の性質が「私的言論」なら独自定義も許容されるでしょう。けれども未定義の言葉を(数学の)無定義語のように使って「公共言論」や「法規制論」やるのは流石に乱暴。

たとえば‥
社会への主張ならば定義してほしい。その上で定義の社会的妥当性を改めて世に問うべきである。また「カルト性の高い」とする以上は量化可能な形で定義されなければならない。

本筋から離れると複雑になるので宗教でいうと‥

仮に「新興宗教」をカルトの内包とする場合「設立後の経過年数(=社会との共存年数)」で定義するなど。

カルトとは、設立後100年未満の信仰結社をいう‥みたいな。

ではなぜ設立後まもない宗教団体は政治家と関係しちゃ駄目なんですかね。

「カルトだから駄目」と言い得る形で定義するためには現有の意味内容「a.b.c」へ新たに「d」を加える以外ない。しかしそうすると、先行する「a.b.c」の及ぶ外延全体に「d」も及んでしまうから、それを避けるためには「a.b.c」をカルトの中身から除外して「a.b.c」へ新しい名辞を与えなくてはならなくなる。

しかしそれはそれで概念の混乱が起こるから面倒だよね。言葉にだって歴史はあり命があるからだ。ある日突然に歴史的用法のある言葉が別の中身と入れ替えられてたらさ。

え!?
カルト=悪!!
いつから?

・・昨日法定されました・・
みたいな。

ほんと、語に本来含まれてない意味を言葉の注射器で注入する人はややこしい。

「カルト“だから”悪」ゆえに規制対象…なのじゃく、不法相当の逸脱行為といえる場面を定義して、定義に該当する行為を規制するフランス型なら(同法への賛否はともあれ)カルトの定義問題を回避可能だけれど、なぜか「カルト“だから”悪」論法に皆さん固執するよね。

前記事への付記はこちら。
蘇る魔女狩りと異端審問官はこちら。

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