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雑文集

国家機関たる法務大臣が推定有罪に肯定的な国【何が犯罪かは権力の胸先三寸で決まる!】

一言:政治家は冤罪を努めて問題視してくれ。国家活動が法に基づく以上、国家の暴力装置を制御する責任は立法府与党ルールメーカーにある。冤罪発生は自公の怠慢です。

冤罪は最大級の人権侵害、国家暴力です。

なお政権与党の立場は次の通りである。【推定有罪】支持。

『>森雅子法相が「司法の場で無罪を証明すべきだ」と表明したことに対し、ゴーン前会長のフランスの代理人弁護士は10日、声明を発表した。「有罪の立証責任は検察官にあり、被告に無罪の立証責任はない」』
記事タイトル
森法相「ゴーン被告は無罪証明を」発言、弁護士が批判

引用:朝日新聞
2020/1/10 21:01

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下掲のように、日本は昔から推定有罪決めつけ社会である。

記事タイトル
痴漢えん罪でっち上げ事件国家賠償訴訟:NPJ弁護士の訴訟日誌
2009.12.9更新

Archive
https://archive.is/maTyQ

また冤罪が発生したらしい。

東京法律事務所WEBサイト記事「埼京線痴漢えん罪事件、東京高裁で逆転無罪判決!」を読むと、『>石田さんは一貫して無実を主張していましたが、取り調べで検察官からは、「やってないならやってない証拠を示して」などと言われる状況でした。』続けて『東京地裁は、「手首、腕、肩、顔と確認した」という「被害者」の証言を全面的に信用し、「注意深く観察したもの」だとして、有罪判決(罰金30万円)を言い渡しました。』と書いてあるんだけど‥

これ恐ろしくないですか。

他方の被害主張が一方的に認められて、あまつさえ被疑者に事実の不存在を証明しろとか。

【客観的事実】レベルの証拠が存在する場合にこれを斥けるに足る根拠を提示せよ、との趣旨なら理解できるものの、証言証拠だけ(つまり他方の認識だけ)で有罪にもってかれるのかよ日本。

道理で考えたらさ、事実を構成できないならば当然に犯罪も構成しないと考えますよね普通。

そうだから無罪が推定される。そうだから起訴側が事実の存在証明をしなければいけない。

こうした道理を転倒させ被疑側に事実の不存在証明を課すって正気の沙汰じゃないぜ。

あらゆる犯罪は阻むべき凶手に違いない。だが冤罪の発生についても同じでしょ。両者の価値に先後なく、また優劣もない。

だがツイッター民はそうでない人が少なくないのかもしれない。


https://x.com/yusai00/status/1832930427100889250 より引用

「犯罪がなくなれば冤罪もなくなる」と言ってるんだがそんなわけないだろ。被害を認識する側の錯誤を排除しようがない。

また上掲記事本文で登場する沖田国賠訴訟一審裁判官のように、司法官憲から妄想ファンタジーを排除することもできない。

(錯誤:その人が認識したことと認識した対象である客観的事実とが一致しないこと。新明解国語辞典)

(妄想:あれこれと想像したことを事実であるかのごとくに堅く信じてしまう心的傾向。新明解国語辞典)

つまり痴漢がいない世界でも冤罪は起こり得る。こんなツイートに万いいね♥集まるのがツイッター。ツイッタ民、社会から暴力がなくなれば誤想防衛も出現しない、とか言い出しそう。

閑話休題

裁判官(検察官、警察官)、お願いだから推定有罪で動くのやめてくれ。推定有罪がまかり通る状況にあるならば、三権分立とはいえ国家活動は法に基づく以上、政治は何らかの対応をすべきです。

もしや冤罪を必要コストとか考えてないだろな?

十人の真犯人を逃すとも一人の無辜を罰するなかれ】じゃないですけど、審理を尽くしてそれでも(不完全な人が裁く以上)回避し難い冤罪ならばまだしも、推定有罪による人身拘束があるとすれば国家機関による最大級の暴力だろ。

三審制の中で終局的に覆ったとしても、そこへ至る長すぎる道中被る回復不能な不利益と比べあまりに不相当である。

釣り合わない。

それにしても流石プロフェッション(世界の秩序を支える四柱)というべきか、逆転無罪判決を勝ち取る弁護士は凄いよな。俺は素人だから詳しくないのだけれど、弁護士は国家権力と対峙するに足る権限を十分に与えられとるんだろか。

被疑側の防御権を保障するため取り調べ立ち会い権等刑事弁護人の(対国家)権限拡大及び関与を強く求める。政治は憲法の保障する武器対等原則の実現に向けて対応する義務ありますよ?

まあ政権与党から出した法務大臣が【推定有罪】を肯定してるんだもん、そりゃ国家活動は【推定有罪】のベクトルを持つわな。

時期も犯罪類型も違うけれど、被告人を念頭に「(被告人が)無罪を証明すべきだ」と宣う法務大臣。被疑者に向かって「やってないならやってない証拠を示して」と要求する検察官。「女性が携帯電話を注意されたという些細な出来事で虚構の被害を申告するなど通常想定できない」などと妄想を爆発させる裁判官。

しかしなぁ‥刑罰権を代行する側(被害を訴える側)は強大すぎる権限を一方的に行使可能なのに、なぜ疑われる側は防御権を抑え込まれるんだ。武器対等実現を妨げる権力側の不作為はそれ自体が憲法違反の国家暴力ですよ。まあ権力からしたら近現代の考え方(武器対等原則)は都合悪いんだろな。自分ら国家機関の偏向つまり中正を失った【台本】を他人へ一方的に押し付けてよい絶対権力、そら手放すのは嫌だろう。

そうでない事実の証明責任を被疑被告側に転換する日本の不健全司法、そろそろ健全にして!


後書き
冤罪を冤罪あらしめるもの

2024/09/09/182640投稿

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