自宅近くの交差点で歩行のおぼつかない杖持ち婆様と遭遇した。杖は白杖でないが、使いかたはどことなく白杖を思わせた。
「歩行がおぼつかない」
「高齢者」
この程度なら普段は一々気にかけないんだが、すれ違いざま、杖の件もあり妙な感覚を覚えたのでつい振り返ってしまった。
よく観察すると、歩行が小刻みかつ竦み足。そればかりか目の前の電柱を回避せず電柱に向かって前進を止めない。
いてもたってもいられず、(進路誘導しつつ)目は見えるのか?を確認。こちらの問いかけに対する反応は、首を縦にふるだけ。
う〜ん。
俺は医者じゃないから断定できないけれど、パーキンソン型認知症(パーキンソンっぽい運動症状と失認・失行)が脳裏をよぎる。もうこうなってしまうと放置できない。比較的安全な余裕のある歩道ならばいざ知らず、ここは交通事情がわりとシビア。
案の定というべきか、赤信号なのに交差点ど真ん中で一進一退。完全に交通がマヒしちゃってる。咄嗟、俺はダッシュしており婆様の横に侍らい車民に軽く頭を下げる。
状況察っしてねジェスチャーしつつ見守り続行することにした・・とはいえ見ず知らずの他人だし無理やり行動制限かけられないからストーカーの如く付きまとう俺。きっと傍から見たらストーカーそのものだろう。
婆様よかったな、俺が暇人で。
俺氏よかったな、黄昏どきで。
さてそうはいっても行き先もわからず婆様のペースに付き合い続けるのは流石に無理なので、諦めて警察に保護要請することにした。
👮🏻{事件ですか?事故ですか?

この話の顛末だが、途中のスーパーに御家族がいらして無事合流。偶然なのか、はじめから落ち合う予定だったのかは知る由もない。
ご家族の存在を想定してなかったので警察と入れ違いになってしまった。せっかくご足労下さったのに何だか申し訳ない。
まあいずれによ、婆様に何事もなくてよかった。(ご家族の安堵の表情もよかった。)警察の迅速な対応にも感謝。
***
冬の黄昏時は善意も悪意も同じ色に溶かす。あの鐘は誰のために鳴るのか。きっと全ての人のために鐘は鳴るのだろう。
ふと振り返ると、交差点の信号は何事もなかったかのように切り替わり続けていた。
Original: karsai-nei-tsang.hatenablog.com | Author: [マBOY] | First published: 2025-12-21 | ID: pcm-puls