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介護保険という官製市場が生んだ介護職の悲劇【介護職の低賃金】は誰でも出来る仕事だからじゃない

記事タイトル
ひろゆき氏が持論展開、介護職の給料が日本人の平均年収を超えないワケ「ふざけるなってなる」

引用元∶日刊スポーツ
2025年09月06日

彼はスキルという言葉をよく使う。
有能/無能という言葉もよく使う。

ひろゆき氏に言わせると、介護は「スキルの有無を問われず誰でもできる仕事」らしい。したがって低収入は仕方ないのだと。おそらく世間の多くも同意してるんだろうな。

ひろゆき氏は介護のどの部分を見て「誰でもできる」と感じたのだろう。

ITエンジニアは誰でもできる(スキル不要の)タグ打ちマン?

たとえば<b>テキスト</b>のようなマークアップ言語(しかもb要素)は誰でも打てる簡単作業です。したがってITエンジニアは未経験でもできる無能の仕事です、ITエンジニアは(=)タグ打ちマン!などと言われたら、ITエンジニアの人たち怒らないのか?

木を見て森を語る暴論だが、ひろゆき氏は他職種に対して平気でこれをやる。

交換価値の高低や収入の多寡を能力の評価尺度に用いる人達は【「使用価値(高)と超過需要(希少性)」の成立する介護が低収入である理由は市場競争から排除されているからだ】という指摘にどう答えるのだろうか。

よしわかった!
介護保険制度廃止しよう!!
(官製市場の撤廃)
とは絶対言わんのよ、こいつら。

冷静にいうと、これは個人の能力や資質の問題じゃない。介護労働をどのような制度的枠組みの中に置くかという設計そのものに対する態度。

ひろゆき氏をはじめ介護職を馬鹿にする人たちは、この論点から例外なく逃げている。

介護を【福祉】という規範的価値のもと、所得や属性と関係なく普遍的・平準的に提供しようとするならば、その供給を官製市場の内部に位置づけ管理経済的に運用することは制度的合理性が認められる。

価格や供給量を統制する以上、賃金水準が市場競争下に比して抑制的になることは当該制度設計に内在する帰結であるが、この「制度的帰結」と「介護労働の社会的評価」は本来区別されるべき問題だろう。

賃金の抑制は政策選択の結果であって、職務内容の専門性や従事者の能力・人格的価値を否定し、卑しめる根拠にはならない。

そうであるのに、本邦言論空間においては「制度的に抑制された」報酬水準を職業的価値の低さや低スキルを意味するかのように結びつける。福祉国家において、特定の労働を市場原理から切り離して供給するという政策を強いる以上、その代償として当該労働に対する象徴的評価、すなわち名誉や尊厳を制度的・言説的に補償する必要がある。

経済的報酬を抑制する一方で、社会的承認までをも剥奪することは制度の正当性そのものを損なうからだが、介護労働をめぐっては管理経済的統制と職業的侮蔑とが無批判に結びつけられている。

この結合がなぜ当然視されるのか?

この問いは、介護労働の問題というよりも、むしろ現代社会における価値評価の枠組みそのものを問い返すものである。

では、介護をめぐる問題に対して現実に取りうる方略はあるのか。感情論を排し制度的に整理するならば、選択肢は大きく分けて次の四案に収斂すると思われる。

第一に、介護保険制度を廃止し、家族介護を原則とする道である。これはしばしば前時代的な案と見なされるが、人類史的に見れば家族内扶養はむしろ標準的形態であり、主要な家庭機能である。「前時代的」と断ずること自体が近現代的価値への過剰依存であろう。


第二に、介護職を名誉職として位置づけ、賃金とは異なる形で社会的ステータスを制度的に保障する道である。これは「感謝でごまかす」ことではなく、象徴資本や特典を伴う明確な地位付与によって経済評価と社会的承認を切り分ける試みである。歴史的にも、こうした形で成立してきた職能は少なくない。


第三に、提供される介護サービスの質や範囲を引き下げる道である。高度な個別対応や24時間体制、過剰ともいえる配慮の標準化は必然的にコストを押し上げる。負担増も賃金上昇も回避したいのであればサービス水準の見直しを避けることは困難。安くて高品質は我儘だ。


第四に、徴介制の道である。



https://x.com/hirox246/status/2010998394127356327 より引用

ひろゆき氏の投稿は、労働価値を「生産・交換・外貨獲得」などの経済的尺度に一元化する還元主義的視点を露呈している。外貨獲得を重視する彼の主張では、介護職が「良くない選択」と見なされている。たがこれは経済システムの前提条件を見落としている。たとえば介護・警察・消防は、労働力の社会的再生産や秩序維持を担う、市場交換が成立する基盤そのものである。これらの活動を外貨獲得能力によって評価することは、経済システム全体の循環構造を無視した誤謬と言えるだろう。ひろゆき氏に限らず、社会の持続可能性について論じるのであれば、そろそろ「交換価値偏重主義」から脱却する必要があるのではないか。



しかしそれはそれとして、徴介制も検討に値する有力アイデアである。

重要なのは、これら選択肢のいずれもが、何らかの犠牲や不利益を伴う点である。しかし本邦では、これらの選択を拒否したまま「サービスを受けられない」「質の高い介護を受ける権利」などと繰り返し発信され、その矛盾の捌け口として介護職が貶められてきた。

この構図においては(あれも嫌これも嫌と)選択を回避し続け矛盾を直視しない社会の側こそが被害者ポジションに身を置いているように思われるのだが、なぜか労働闘争する側の介護職のみへ罵声を向けるのである。

誰かを安く使い見下しても問題は解決しない。問題の核心点は、社会がどの不利益ならば引き受けられるのかを、いまだ決められない点にある。

追記∶私の立ち位置

私個人としては介護保険制度廃止案を支持。家族介護については規範命題でなく負担の順序から。家族は家族で引き受ける。

これがもっとも順当でしょう。

だが異様な家族介護忌避の社会浸透を考えると実現可能性の低い案なので、次いで三と四の(部分)ミックスを提案したい。

サービスの質を下げることで社会保障費を抑制できるし介護職の負担軽減に直結するから賃金水準を据え置ける。サービスの質を最低生活支援まで落とすことで緩い介護従事義務を無理なく接続させる。

🇺🇳本当は第五案で外国人労働力の受入れについても書きたかったのだけれど、それは既に進行中で、それでも全然足りないのが介護業界なので、今回は外しました。

また私の考える四(介護従事義務化)の前提は三(介護→最低生活支援)の実現ですが、高齢者層とその家族やリベラル層が激オコするので困難が付き纏うでしょう。

※このシルバー戦線を細目で遠観すると、自らを「おひとり様」などと自己規程する不遜な利己的貴族層の参戦する未来が見える。言い換えれば人権要塞化する景色である。

旗手は(今も昔も)上野千鶴子御大だ。

上野千鶴子『3条件とは、第一に「わしゃここを動かん」というご本人の意思。第二にその人の意思を代弁して多職種連携のシステムを束ねてまわしてくれるキーパーソン。第三に、そのシステムとは24時間対応してくれる訪問介護、訪問看護、訪問医療の3点セットです。』

出典∶朝日新聞Reライフフェスティバル2025春
(東京都内3月3日講演)朝日新聞Reライフnet

老後の生活保障を巡る権利闘争が「権利の基盤を自ら壊し食い潰してきた利己的貴族層」によって、資源の枯渇する廃墟で生まれた被災世代に仕向けられるのだ。

なので無理でも何でも今のうちに介護を再定義(介護サービスの品質基準変更を)しておかないと、間に合わない。

権利を訴える相手は国だろうけれど、ガッツリ実働する直接生活支援者は当該被災世代。国という名の自然人は存在しないからだ。なので避けられぬ未来なら、せめて「ガッツリ」が「チョッピリ」で済むように、制度変更しておいたほうが楽なのでは?

リベラルの分断批判を恐れるな。

追記∶上野千鶴子理論の馬鹿馬鹿しさ

記事タイトル
2025年「介護事業者」の休廃業・解散653件 苦境の「訪問介護」が押し上げ、過去最多を更新

引用元∶東京商工リサーチ
2026/01/23

こうした現実↑を見ると、上野千鶴子御大の理解は社会の実情を無視した(フェミニズムやリベラリズム特有の)空理空論だとわかる。このままだと、こういう状況が日本各地で溢れかえるんじゃないか。

厚生労働省は何も手を打たないし。
※地域包括支援システムなどの実効性なき機能し難い仕組みを考えるのは得意。

使用価値が極端に高いものを市場価格(交換価値経済)に委ねることは得策でない。しかし、その結果として生じる「低価格・非営利性」を社会は「価値が低い」という誤った認識に変換する。これは資本主義の失敗でなく価値を価格へ翻訳する社会的認知の失敗である。人は必ず砂漠に旅立つと承知しているのに砂漠に立つまで水を評価しないのだ。そして愚かにもこう叫ぶのである。

ここへ水持ってこい!
儂には生存権がある!
わしゃここを動かん!

追記∶介護保険という官製市場が生んだ介護職の悲劇

記事タイトル
介護職の賃金、他産業との格差がさらに拡大_平均26.9万円=組合調査

引用元∶介護ニュースJOINT
2026年1月28日

介護ニュースJOINTによれば、他産業と介護職の賃金格差は更に拡大してるのだとか。まさに「介護保険という官製市場が生んだ介護職の悲劇」である。日本人、もういい加減こんな卑怯な制度は廃止しなよ‥


Original: karsai-nei-tsang.hatenablog.com | Author: [マBOY] | First published: 2026-01-22 | ID: pcm-puls

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