いつの時代も危機的状況下はこんな感じになるのかな。と嘆息ぎみの今日この頃。「こんな」とは現在の言論の有り様。テーマはコロナ。初めにお断りしておくと、私は非専門家です。特定の高度専門領域を持たない、つまり素人である。私のような立場の人が危機に瀕して何よりも困る事。それは情報の取り扱いだ。リテラシー?胡散臭い言葉だ。私見だが、情報には2つの側面があると考える。①事実と②評価だ。素人は的確な事実認定もできないし、適正評価の手法も知らない。そうなると必然、専門家の言葉に意識が集中する。・・以上の文章から、それでいいじゃない。けっこうな態度じゃないか。と思われるだろうか。文頭、いきなり嘆息つかせて貰った理由がここにある。上述した特定事象における事実と評価について、およそ混同した論評がネットに溢れすぎていて。もはや何が事実なのか。その評価は何を拠り所にしているのか。また主観評価なのか客観評価なのか。(無自覚に)価値観でバイアスされてしまっている、単なる意見なのか自己主張なのか。
何かを発言したいのはわかるけどね。
今回の投稿は、日頃わたしが思っていたことをズバ!っと表現されていた記事の紹介になります。会計士様が運営されるブログへ投稿されたある記事に眼がとまりました。投稿主は現役医師とのことです。
新宿会計士の政治経済評論
(https://shinjukuacc.com/)様から。【読者投稿】専門家と素人、そして有害な自称専門家(https://shinjukuacc.com/20200315-01/ )
以下、一部引用
【読者投稿】専門家と素人、そして有害な自称専門家
(中略)EBMの考え方EBM(Evidence Based Medicine)という医療の考え方をご存じでしょうか。医療のプララクティスにおいて、決断を下す根拠(Evidence)を厳密な科学に求めようとする思想です。
その手法には根拠の確からしさをグレーディングすることが含まれています。
図表 エビデンスレベル分類
Level 内容 1a ランダム化比較試験のメタアナリシス 1b 少なくとも一つのランダム化比較試験 2a ランダム割付を伴わない同時コントロールを伴うコホート研究(前向き研究,prospectivestudy,concurrent cohort studyなど) 2b ランダム割付を伴わない過去のコントロールを伴うコホート研究(historical cohort study,retrospective cohort studyなど) 3 ケース・コントロール研究(後ろ向き研究) 4 処置前後の比較などの前後比較,対照群を伴わない研究 5 症例報告,ケースシリーズ 6 専門家個人の意見(専門家委員会報告を含む) 【出所】一般社団法人日本肝臓学会『エビデンスレベル分類・推奨グレード分類』
いいですか。
「専門家個人の意見」は最低の価値しか有しないのです。
〈ぜひリンク先から全文をご覧になってください〉
ちなみに、私はタイ古式マッサージにかかわる業界の人。此方はあくまでリラクゼーションの範疇であって医療ではない。リラクゼーションや東洋医学(伝統や民間療法)の観点から話す場面はあるが、必ず断りをクドい程いれている。現代医学ではない事。標準治療ではない事。科学的根拠がない事。効果効能の概念を持たない事。私はあくまで文化の伝達者にすぎない事。等々。
何か発言したいのはわかるけど、自分の領分を踏み越えてはならぬのだよ。プロならば。
難しい事じゃないだろう。
大切なのは。
私は・・何を語り得ないか。である。
東洋経済
新型コロナウイルス国内感染の状況
データソース:厚生労働省報道発表資料
https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/