犀の角
林の中で、縛られていない鹿が食物を求めて欲するところに赴くように、聡明な人は独立自由をめざして、犀の角のようにただ独り歩め。
貪ることなく、詐ることなく、渇望することなく、覆うことなく、濁りと迷妄とを除き去り、全世界において妄執のないものとなって、犀の角のようにただ独り歩め。
貪欲と嫌悪と迷妄とを捨て、結び目を破り、命の失うのを恐れることなく、犀の角のようにただ独り歩め。
岩波文庫 中村元訳
ブッダのことば:スッタニパータ
(蛇の章「犀の角」より)
一仏教者から見たカルト問題
この続きです。ある人が、処理水問題は「科学vs非科学」の闘いだ、といってました。私の認識では、この対立図式に当てはめるのが科学主義であり、科学主義から「非科学の価値」を擁護する意味が、この構図に隠れているのだと思います。科学を扱う人間の思想…
フェーズ1この空間には道があり、赤一人が存在する。従って【他】という概念はなく、論理的必然的に自由もなければ制約(不自由)もない。人間一人では、権利や義務、社会や公共など観念しようもい。フェーズ2赤は青が登場することで【他】を認識し、【他】と…
副題:科学は是非を判断せず【判断】㊀前後の事情を総合して物事の是非曲直や選択肢の選定を最終的に取り決めること。新明解国語辞典 以下三つの諸命題から結論【B】を導くと三段論法(段階的推論法)になります。※日本の用語法は段階的推論を三段論法と表現す…
この記事を読んでくれた身内から、要は二律背反を指摘してるんだね‥的な反応を頂戴した。 アンチテーゼ(反定立)という言葉を使ったからだろうか。アンチテーゼと表現した私の意図はともかく二律背反の使いかたに妙な違和感を覚えた。(間違ってないよ)試しに…
一言:いわゆる保守界隈、人権を誤解してる又は自分を強者側と錯覚してる説憲法の本質とは何か、憲法を端的に言いかえると「憲法とは個の尊厳である。」と言える。これは成文形式で実定された憲法典を理念的実体の側から表現する言葉だ。そうであるから派生…
副題:差別の論理構造私が基礎付け(哲学用語)時に原理として採用する土台は3つ。①ブッディズム(≠日本仏教) ②日本国憲法 ③唯物論・物理主義日本国憲法第14条【法の下の平等】すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により…
副題:(根底にある)宗教への無理解が生む最悪のモンスター宗教、その名は‥凡そ犯罪は他者性の亡失作用として起こる意思の越境と抽象化できると思う。人は他者を直接体験できないし、他者が直接現前する事もない。なぜなら固有の他者は差延によって同定性が…
副題:フランスが定義したもの、出来なかったものhttps://www.cipdr.gouv.fr/ から次の語句「Fiche de synthèse Lutte contre les dérives sectaires」を内部検索すると、いわゆる反セクト法の要約シートへ辿れます。定義規定について詳しく知りたいかたは直…
一言:語に本来含まれてない意味を言葉の注射器で注入する人はややこしい 件の団体については事実を基礎とした上で各々自己責任のもと自由に批評されたらよいですが「〜の規制は難しいと言う人」の一人として。特称命題/単称命題・違法行為に及ぶ「カルト」…
副題:日本の宗教が包摂する内在的欺瞞とこれに目を瞑り異端審問官“然”として振る舞う一部の伝統派たち【いわゆる○○商法について】 ○○には霊感、霊視等 まず大前提、いかなる名目であれ宗教者が宗教行為の報謝として世俗へ金品を求めること自体、私は抵抗感…
副題:露呈する「世間の」屈折した偏見と差別意識安倍さんが凶弾に倒れ亡くなった。世間は事件の背景に強い関心をもったようだ。それはそうだろう。ただ、焦点を当てた先とその角度に、なんだか言い知れぬ危うさを感じてしまう。端的にいうと、宗教絡みの「…
自分の狭い経験上、古典好きのインテリ率高め。古典は知恵やヒントの宝庫だから気持ちわかるし安易に西洋かぶれしないのも好感もてる。ただ東洋の故事成句は今で言う「切り取り」要素を含むので、インテリなら引用前に出典とされる典籍にあたって文の前後を…
FB公開グループの仏教法語掲示板でグゥの音も出ない投稿を見つけてしまった。 https://www.facebook.com/groups/1683846301827799/permalink/3119265734952508/ 曰く‥人の為と書いて「いつわり」と読み信者と書いて「もうかる」と読む“人の為”という考えかた…
この記事は削除しようと思ったのですが、思考の記録として未来の自分へ残すことにしました。「(他者から)元気を貰う」の内包から暴力性を排除できませんでした。水から沸点という物理性質を排除できないように、液晶から異方性を排除できないように、幾ら…
思考の定番に三段論法がある。 推論の論理形式としてこれほど有名なものもない。特徴は帰納法を用いて個別から普遍性を抽出し、演繹法を用いて個別へ還元する点にある。①全ての人間は死ぬものである。②ソクラテスは人間である。③ゆえにソクラテスは死ぬもの…
副題:善悪議論は仮構の虚偽意識が作るフィクション・・なんか三重言のような副題になってしまった。したんだけど。 他者を善悪という曖昧な基準で評価するムーブがあるとするならば、あまり感心しません。曖昧な基準。たとえば功利主義を採用して善悪をはか…
結論:弊ブログは関係性の用字を問題ナシとします。う〜む。なんか驚きの知見を得た。 赤ワインと白ワイン「混ぜるの禁止」を知ったとき以来かも。 まあ国語得意じゃないし、今更過去ログをかえりみるつもりもないが、「関係性」という言葉は何やら誤用くさ…
副題:内と外と不浄と清浄(後ろの正面だぁ〜れ) 過去記事「思想と哲学は違う」の追記的なもの。「ウンコ味のカレー」と「カレー味のウンコ」究極の選択問題考えてて思い付きました。「人はウンコが体内にあるとき不浄を感じないのに体外に排出された途端不…
副題:何が為の哲学かパスカルをもち出すまでもなく、すべての人は死刑囚であるという喩えはどこまでも真実だと思います。すべての人は生まれた瞬間に「百年のうちに死刑は執行される、しかしその方法は伝えない」という残酷きわまりない有罪判決を受けるの…
副題:自分の好みでいいじゃないある大変著名なスピリチュアル人が黒を良くない色として力説しているYouTube動画をみた。黒は喪の色、つまり死を連想する邪悪な色で不吉な色なんだとさ。だから身につけるべきじゃない、身の回りに置くなと。バカバカしい話だ…
副題:こんな自由は嫌だ!前回投稿「爆轟に沈む不沈空母自由丸」の補記になりますが、直接は繋がってません。私の観念する自由は何でもかんでも同じ座標の一点に重なり合うようなランチBOXじゃないのだと改めて気付かされました。これは物理視点です。 ここ…
過去記事「いきすぎた何でも相対主義」からの続き的なメモ書き。以下のデータ(3番119番)を見て同一の元素だと考える人はまずいないと思う。他カテゴリと性質区分する上で共に同一カテゴリ(アルカリ金属)である、または別の概念と区別する上で共に元素である…
副題:独我の海に流れる実存哲学とジェンダーある差別反対運動(思想的骨組み)の基体(哲学)を考えてみた。物理世界の事実を思想で変更する事はできない。 記述単位が異なる事はあっても、ある地点AとB区間の物理的距離(例:東京〜大阪の直線距離およそ400㌔相…
副題:断ち切る言刃と繕う言葉言葉は事物を断ち切る性質をもつ。 言葉が溢れるほど器は傷ついてゆく。人の傷痕を指して醜いと侮り嗤う者がいるだろう。過ちと非難する者もいるだろう。言葉は言葉の疵痕となり癒える傷痕へ重なってゆく。最近の世相はとかく審…
副題:領域展開する人から逃げるべし議論には相互不可侵領域が厳然と存在する・・そんな当たり前の作法を改めて思い起こさせるツイートを発見した。 当該ツイート、やや棘を感じる表現が含まれているものの、その点を除けばほぼ同意できる内容だ。まあツイー…
カテゴリー記事に頻出する普遍否定には幾つかの前提がある。①抽象普遍を否定していない。この普遍は、抽象名詞あるいは普通名詞として自我に陰伏潜在する無自覚といえる。②否定は抽象普遍の現実態。山田(私)は人間である。帰納法によって現成する「人間」と…
副題:ワクチン接種問題から浮かび上がる科学への誤解と限界二つの思考法がある。①帰納法 個々の具体的事実から一般的な命題や法則を導き出すこと。特殊から普遍を導き出すこと。導かれた結論は必然ではなく蓋然(必然と偶然の間)にとどまる。科学的論理思…
大した話でもないのだけれど、有限と無限の違いについて、結局のところ無限は思惟空間(情報空間)の中にしか存在しないのか?・・などと昨日の夜考えていた。ビール飲みつつYouTubeで「殺し屋イチ」視聴しながら。エグかったが、数字が脳半球を一緒に回って…
もはや火薬庫だ‥性的同意年齢引き上げ問題(現行法13歳、中学生相当)における民間言論空間は、そう形容せずにはいられない程に死屍累々する戦場と化している。言及すると必ず被弾するから念の為お断りしておくと、この問題に対する私の立場は賛成も反対もな…
副題:水はいれかわる『儒教に触ると押し並べて変質する。仏教、道教、神道‥国でさえも。結果論ではあるけれど、かつて日本を破滅させた国家教学が儒教(朱子学)である。』と前回記事「胡蝶の夢に見るもう一つの生きかた」に書いた。今回はもう少し踏み込ん…