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雑文集

それでもあなたは悪でない

一言:憲法とは国家の偏見から貴方の尊厳を擁護する[全ての人の魂の詩]である

記事タイトル
コロナ持続化給付金訴訟 2審も性風俗業者の敗訴 東京高裁

引用:毎日新聞
2023/10/5 15:00
注目の裁判、期待もしたが(ある種)予想通りの結果となり無念。

一審はこう説く。

性風俗事業者への給付は国民の理解が得られない。なぜなら(あくまで司法の主張)性風俗は本質的に不健全であり大多数の国民が共有する性的道義観念に反する。

したがって適用除外に合理性がある。つまり区別であって差別に当たらない。

私は司法を宗教と同視して差し支えないと思ってます。

なぜなら【本質】も【道徳】も人間には不可知だから、法規範の根拠にこれらを用いるのは禁忌であるところ、なんと裁判官は不可知なものを根拠に給付除外の正しさを説明づけてしまったから。


※類似内容の記事を不定期投稿してます。数本ありますが、下掲は比較的近い月の投稿記事です。
www.s24pro.jp
不可知の【信念】を根拠に他者へ善悪を説く。そんな審判、宗教以外やらないですよ。悪の措定は自分の宗派でおやりなさい。

新約聖書
「コリントの信徒への手紙一」
6章15節の言葉

あなたがたは自分のからだがキリストの肢体であることを、知らないのか。
それだのに、キリストの肢体を取って遊女の肢体としてよいのか。断じていけない。
新約聖書
「コリントの信徒への手紙一」
6章19節の言葉
あなたがたは知らないのか。
自分のからだは、神から受けて自分の内に宿っている聖霊の宮であって、あなたがたは、もはや自分自身のものではないのである。
最高裁判所大法廷
猥褻文書販売
昭和28(あ)1713
社会通念は、個々人の認識の集合又はその平均値でなく、これを超えた集団意識であり、個々人がこれに反する認識をもつことによつて否定されるものでない。

3つ目も宗教の経文である。
つまり国民意志(個別/全体/一般)から独立した【超越】が実在し、ゆえに遍在かつ不変であり変更不能なのだと主張する文章で、煽りや嫌味でなく宗教の規範構文。

ここでの疑問はそうした【超越】を裁判官のあなたが何故知り得えるのかだ。上の最高裁判決文は通常ならば明白な嘘デタラメと評価される思考。嘘を嘘でないと言うためには信仰であると言う以外ない。そうすると、宗教の教祖にお告げを貰ったのでしょうかと。

中世ならばいざ知らず、現代規範論としてよいのかこれで。

裁判官の権限根拠は憲法七十六条以降と記憶するけど少なくとも私が裁判官に求めるのは専門知に基づく法律判断であって裁判官の宗教的信念に基づく道徳判断じゃないし、そんな判断権限までをも憲法が認めてるとは考えづらい。

一審で地裁の裁判官は本質的不健全や性的道義観念云々を論理的に正しいと証明する事なく科学的実証データを示す事なく(つまり論理的に)不健全な主張をもって当該判断に合理性があると断じた。

当該判決は論理の健全性を満たしてないですから、つまり不健全な文章で他人の営業を不健全と断じた二重に不健全な悪文。当ブログで幾度も書いてますが、健全性を満たす論理文とは前提が真かつ整合妥当な論証のこと。真偽不定の前提から出発する文章は、結論まで整合的に展開された理論であっても論理文として不健全。個人ブログで許されるレベルの素人構文を裁判官がやるわけです。

二審原告が何を争点とし、司法はどう答えたのか。毎日記事から詳しい判決内容はうかがえない。

いずれにせよ最高裁まで闘ってほしいテーマである。法律論でなく定性的宗教信念から事理を判断する司法をひっくり返すのは難しいと思うけれど、私は応援します。

www.call4.jp

追記:君の名は

性風俗業の事業者や従業員であっても個人として尊重されるべきことは当然で、職業に基づく差別は許されない。
一審判決の言葉である。
差別の張本人がよく言うよ。
判決文は性風俗業に従事する者のアイデンティティ・ワークを妨げるスティグマ効果をもつだろう。

あなたの色は汚れてない。
誰にも迷惑かけていない。
貴方には貴方の色がある。
汚れてるのはレッテルだ。

その汚れは貼る者の心の色‥
そのレッテルを剥がすのは‥

憲法は全ての人の魂の詩である。
私はブログで歌うくらいしか出来ないけれど、どうか裁判官の貼るレッテルに屈伏しないで。

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