前回記事「書きかた」の追記になります。
英国調査会社YouGovの行った調査結果を確認すると、米国調査会社ブルーローズと逆転する評価をえられるようだ。
対象(サンプル数不明)の61%がスミスの行動を間違っていたと回答し、21%が正しいと回答してますね。(not sure 19%)
でも、これはある意味当たり前の結果なんだよね。
which side was more wrong?
YouGovの問いかけ(原文ママ)
Were Smith’s actions right or wrong?
which side was more wrong?
間違ったのは法規範なのか倫理道徳なのか、それぞれ細分しての動機なのか目的なのか行為なのか。あるいは全部なのか。
まさか家族という共属感情の発現自体を掣肘すべき間違いとするのか。
ブルーローズの問いは評価の及ぶ範囲と射程を指定してないですから、平手打ちは容認し難いものの「(経緯や聴衆との関係で)心情は理解できるよ」といった具合に人情の機微を回答の中へ還元する人もでる。
彼は方法を誤ったのだ。
動機目的は間違ってない、と。
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Were Smith’s actions right or wrong?
一方YouGovの問いはactionsである。「Smith’s actions」に範囲と射程を絞られたらアンケート結果はそりゃ変わるよな。
ただこれ着目する観点の違いであって、いずれの調査結果が実態を反映しているか?‥といったありがち視点は不要に思う。
それに彼自身、誤りを認め公式に謝罪してるわけで。
action:条件反射など無意識の反応を含む活動。
act: 目的を有する人間の為す、結果を意図した行動。
とここまでは綺麗事。
ここから本音。
ブログとはいえ流石に本音はあまり書かない。
でもたまにはよいかな。
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公の場で家族(男女は関係ない)へ向けられた、日本であればハラスメントと非難されそうなあの無情な言動。
ウィル・スミスは救いたかったんじゃないの。彼女が一方的被害者になる未来から、あるいは紛争当事者になる未来から。
あのとき何もしなければ、いずれかの未来が必ず彼女へ訪れる。その過酷さを、敢えて引き受けたんだろ。家族だから。
そして引き受けられるのも(ジェイダさんが女性だからじゃなく)家族だからだ。
最高に粋でかっこいいよ。
Dear Will Smith. You are the chicest and coolest.
価値合理性と目的合理性の落し所へ。
あと、感情コントロールって理性だけの機械人間になれってことじゃなく配分の話では。感情と理性の。
しかし、状況がたまたま帯同者に奥様を選んだだけなのに、「帯同者が奥様かつ女性」であった点のみ着目して女性差別へ彼の評価を帰結させる人って正直人間性を疑うわ。必ずでるけど。
そこへ論点つくること自体を不適当と感じる。だって「家族を擁護する言行」の正当性を被護側の性別や家族内位置にかからしめたら、それこそ差別じゃん。
「血族は擁護対象だが姻族の女性は擁護しません。たとえ緊急時(事態の軽重や切迫性)であっても姻族女性への要請あらざるサポートは女性軽視であり差別になるからです。」
こんな倒錯したイデオロギーを喜々として語られても・・
「当家は共同体感情を否定する個人主義者の集合であるから緊急時であろうと互いに一切関知しない。」
これならギリ理解できなくもない。
ただ社会通念上、これを家族と観念できるのかは疑問。
フランスとか国によっては異なるんだろうが、たとえば婚姻関係から見る相互の家族関係って心契による契約共属体。契約共属体なのだから、AがBをサポートする場面もあれば、BがAをサポートする場面もあるだろう。
この平等な営みから一場面を抜き出し「相互的じゃない」「家父長的だ」「女性差別だ」っってそれはそうなる文脈で抜き出してるから。
なぜ殊更に性別を意識するんだろ。