24-BLOG

雑文集

世界は漫画だった(追記)

副題:他者を「object」とみなす者が配役を強迫して作る漫画「ざ・世界」

ウクライナに関連する記事はこれ「平和の表裏と一意性(補記)」で最後と言いつつ、どうしても書き留めておきたい事があり、アップする。まあブログは所詮ログであってコレ以外の意味はないから問題ないだろう。


以下、前回記事「世界は漫画だった」から引用。

善も悪もひとつなぎの輪に存する位相であって、世の中は相互に独立した善悪の輪が絡みあうような知恵の輪ではない。国には国の状況があり地域には地域の状況があり個人には個人の状況がある。この状況の違いが視点をつくり位相を生むのであって、善悪を単純2値原理でわかち分離可能とする立場は実態と乖離する。まるでワンピースに登場する世界政府のような漫画視点で事象を認識・評価・判断する政治家や学者は危うい。
最後のセンテンスは世論へ単純思考フレームを「遷延・浸透」然らしめんとする政治スキームを憂いての言葉。

そんなスキームは存在しない‥なら杞憂であってそれでよい。

なのでそれはさておき、日本にとって重要と思える視点を一つ差し込こんでおく。

ウクライナと中国の軍事協力関係。
ウクライナの対中武器輸出の実態。

そもそも日本(及び日本周縁)の安保環境へ深刻な影響を与える中国の空母保有を助けた国はウクライナでなかったか。(たしかに名目上は軍艦じゃなかったけれど。)

以下、ストックホルム国際平和研究所(Stockholm International Peace Research Institute:SIPRI)「武器の国際取引」に関するレポートhttps://www.sipri.org/sites/default/files/2018-03/fssipri_at2017_0.pdfより図表引用

主要武器輸出国25ヶ国とその主要相手国
(2013~17年)

主要武器輸入国40ヶ国とその主要供給国
(2013〜17年)

米国、ロシア、フランス、ドイツ、中国が武器輸出全体の74%を占めているものの、中国はウクライナの武器輸出先第2位であり、ウクライナは中国にとって第3位の武器供給国である。

西側から強力な支援強化を受けるウクライナの軍事リソースはどういった内容(質・量)へ変化するのか。今後ウクライナの立ち位置と対中関係次第で東アジアの危険度は飛躍的に増大するかも。

ウォロディミル・ゼレンスキー
中国との関係

貿易額は急速に増大しており、2020年において、輸出入とも中国が最大の相手国となっている。

引用元:Wikipedia

フランスと並び名実共に西側「中国2大サポーター」の地位を獲得しそうな勢いだが、ホント台湾気の毒だよな。

「善悪の戦い視点」から演繹する国際政治学者のような単純思考は本当やめてほしい。

政治にしても、自民党内で一生懸命タカ派(武断派)マインドを広げる「日本の尊厳と国益を守る会」青山代議士のユーチューブを拝聴してると日本の未来に不安とおそれしか感じない。

2022.04.17 枠内追記
ユーチューブでないが、青山氏のブログより次の主張を確認できる。

不肖ぼくが新提案した「領域外防衛」がオールドメディアにも姿を現しました

3日前の4月13日水曜に自由民主党本部で開かれた安全保障調査会にて、「専守防衛」という言葉を否定し、「領域外防衛」という新語に変えることを提案しました。

引用元
青山繁晴の道すがらエッセイ
2022-04-16 10:40:02配信

残念ながら、記事本文では詳細を明らかにしていない。少ない文章から拝察するに、おそらく国外での自衛隊による防衛行動を自衛権概念に包含させる内容の気がする。さしておそらく概念変更を可能とする法理論は用意されてないように思う。先立つのは常に国益という名で語られる「名誉・尊厳・正義・理念」などを内容とする数字的具体なき抽象観念であって、これら結論を煽情コミュニケーションで理屈づけるところに特徴がある。

なお、過去記事(2022.02.25配信)でも触れていますが、私は領域外防衛に反対かつ重武装中立の立場です。

追記:ユーチューブ(動画タイトル:専守防衛の嘘)で確認したところ、やはりそうでしたね。

17分12秒で 「外はドコまでも出て行きますよ。」と言明されてます。

これ大陸国同士の陸上戦闘でシミュレーションするとわかり易いのだが、大陸国だと領域外すなわち国境線の向こう側=他国になる。

そうすると、本邦における敵基地攻撃能力の議論は先制攻撃を主眼に据えていますから、青山氏の自衛権概念(と防衛が為の先制攻撃論)を援用して軍が国境線を超えた場合、一般にこれを他国領土への侵略と呼ぶのでは。

では、経路が海洋国家→大陸になった途端なぜ防衛と評価できるのか。どの国も軍を動かす理由は自国防衛じゃないのか。自国防衛を理由に掲げれば自明に免罪されると考えてるのか。

そして案の定というか、青山氏の国防論はいつも上辺の表層論で「個人対個人」の私闘レベルの話を国防とアナロジカルにした説明がなされるんですが、個人邸宅のたとえ話に付き合うなら家の外は公道では。これ日本なら公海であって、さすがに「ドコまでも出て行く」必要ないですよね。


画像引用元:海上保安庁
(日本の領海等概念図)
文治派と拮抗して欲しいが今の世相じゃムリか。そもそも学者の皆様が率先して善悪漫画視点で「イケイケドンドン太鼓」を打ち鳴らすんだもの・・
JR恵比寿駅から「ロシア語案内」撤去「不快だ」客からの苦情など踏まえ判断【追記あり】

引用元:J-CASTニュース
2022年04月14日15時46分配信

これじゃ本当の有事へ突入したらかつての戦時下こえると思うわ。日本は英語を敵性言語として排斥した酷い過去があるけど、あれも民間が勝手に始めたことだったよな。そういえば。

しかし引用の撤去は自国の戦争でもないのに差別や他民族への敵意がここまで露骨にあらわれ公共交通機関がそれを受け入れちゃったという点でより酷い。

ところで、(有形無形の)ウクライナ支援って戦禍に斃れる同国民への惻隠と理不尽に対する羞悪の念など心緒に根差す素朴な人道だと思うけど、少なくとも私はそうだが、ウクライナ政府や指導層へこれが向かう事は「絶対にない」と断言できる。

だって(個人的には中華文化好きですが)台湾や日本国の立場を擁護するならウクライナから中国へ向かう武器供給は東アジアの安全保障環境へ悪影響を及ぼす一要因と認めざるをえない。

最近はやりの国際関係漫画視点ならこれ(人道に背く)邪悪な行為なんでは。あ‥武器輸出自体は国際法上禁止されてないから無問題という理屈か。

【2022.04.21 追記】
これも有耶無耶に「する」んでしょ。本邦の政治家も国際政治学者も。2値原理で善悪を分けるという愚かな旧時代のプロパガンダ思考を踏襲してしまった以上、善側は自明に許され悪側は自明に指弾される。こんな茶番を学問というのか。

ウクライナに供与した大量の兵器の行方、米国も把握しきれず

兵器の一部が米国の意図していなかった相手の軍や武装組織の手に渡る可能性があると、米当局者も軍事アナリストも指摘している。

引用元:CNN
(2022.04.20 14:44投稿)

武器は厳格に管理されてるから心配に及ばない。これはプロパガンダだ‥寧ろそう言って安心させてほしいよな。

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